日記

統合失調症とちょっとアートの備忘録。

バリバラ


NHKのバリバラという番組が好きで、たまにだが見ている。
ずいぶん前の放送だが、
障害者のための婚活パーティーを取材していた。

http://www6.nhk.or.jp/baribara/lineup/single.html?i=169
https://m.youtube.com/watch?reload=9&v=qMHA4OzNpNE




3人の障害者のための婚活パーティー参加者が出演していて、
パーティーの様子を放送していた。
このなかのアルポート症候群の男性は、障害のことを恋愛相手に言い出せないという経験があり、
なるほど、病気の説明し慣れていないな、という印象をうけた。




私は性格もあるのだろうが、病気のことは割と誰にでも言う。
説明が必要なこともあるし、普通の会話でも私の現状を知ってもらわないと話が進まないこともある。
あとは、私の考え方として、統合失調症は今まで隠されてきた病気だから、
今は露出だと思っている。
今の時代はまだ、こういう病気があって、こういう生活をしていますよ、と多くの人に知ってもらうことが
今後の病気の人のためになるのではないか、という考えだ。
差別をなくすとか、そういうことは、知ってもらってから先の話だ。




ただ、ひとつだけ話すのをためらっている部類の人たちがいる。
それは近所の人。
たまたま近所に住んでいて、ご近所づきあいがあって、
どういうものが好きで、どういう背景を持った人たちなのかそこまで知らなくて、
おそらくこれからも長く付き合っていくだろう人たちになかなか話せない。
話してもいいのだが、そこまで深い話をする間柄にもなっていない。
天気の話とか、自治会の掃除の話とか、庭の草木の話程度しかしない。
わざわざ話すまでもないかな、と思っている。




それで、私の病気や障害の説明の仕方のいくつかのパターンを紹介する。

パターン1 ・(話題にしない)
精神病に偏見を持っていそうな人、別の話題で話ができて、わざわざ病気の話を持ち出す必要がない人には、なにも話さない。
雰囲気で察知する。


パターン2 ・持病があって、疲れやすいんです
よく使う表現。持病というのは便利な言葉だ。長く付き合っていく病気で、日々気を付けないといけないことがあるってニュアンスが伝わる。
深く話す必要がない場合は相手も何の病気かまでは突っ込んでこないし、でもちょっと不自由していることは伝わる。


パターン3 ・脳の病気で、〜
心の病気、精神の病気と言うより印象が良い。なんか大変そうだな、と気遣ってくれる人がおおい。それに脳の病気であることは事実だし。
心の病気、精神の病気と言うより偏見がすくないと思う。


パターン4 ・メンタルの病気で、〜
もうちょっと具体的に話してもいいかな、説明が必要だな、と思ったときはメンタルの病気という表現を使う。
たいていうつ病と思われるが、統合失調症と言ったところでこの病名を知らない人も多い。
メンタルの病気だけで話が済むことが大半である。


パターン5 ・精神科にかかっていて、〜
ちょっと詳しい人には精神科という言葉を出す。精神科という言葉が出せる相手の時は具体的な話になることが多い。


パターン6 ・見た目ではわからないけど障害者手帳を持っていて、できないこともあるんです
障害者割引を使っていることを話すときとか、障害年金の話とかになるとこう言うこともある。
病名を出すのはめんどくさいけど、割引や年金の話をしたいとき。



このパターンでの説明のあと、必要であれば統合失調症という病名を出す。





このいろいろなパターンは今まで何回も人に説明して、
何回も失敗して、うまくいったこともあって、身に着けてきた。
障害の説明も百戦錬磨というわけ。
人付き合い(つまり社会経験)ってそんなもんだと思う。
だから番組に出てきた男性は説明し慣れてないな〜とすぐにわかったし、以前の私を見ているようだった。
もう今では、だいたい、この人に話しても大丈夫、この人に話すと面倒だな、というのは雰囲気でわかる。
この人にはこういう話し方のほうがいいな、とか。




私は「統合失調症」とか「障害者」という言葉は、
現代の社会制度上の便利な用語としか思っていない。
だから、障害者を障がい者障碍者と言い換えたりしない。
こう思えるまでには様々な葛藤があり、悩んできたのだが、
現在の私の考えは、これらが便利な用語であり、その言葉自体が私についてなにか価値を決定するものではない、という考えに落ち着いている。
こう思うまでの葛藤や悩みは機会があったら記事にしたい。



読者も少ないブログではあるが、誰かの役に立つといいな。