日本の夏
日本の夏にはお盆と終戦記念日がある。
夏は亡き人の思いがうごめいていると感じる。
広島と長崎の原爆のニュースをやっていた。
その影響だろう。
アトリエで大きなキャンバスを何枚も張っていたら
手に豆ができてしまった。
その豆のついた手で炎天下で熱々になっていた自転車のハンドルを握る。
とても痛い。
この程度の皮の剥がれた豆が、この程度の暑さのハンドルで、
こんなに痛いのだから、
原爆の後の人たちはどんなにつらかっただろう、と考えた。
被爆直後、皮膚が剥がれた手を前に出して歩いていた人たちがいたという。
皮が剥がれたのでくっつかないようにするため手を出していたそうだ。
少し想像したが想像にあまりある。
この豆程度で痛い痛いと思っている肉体だ。
最近、アンネ・フランクのドキュメンタリーもやっていた。
特に子供が生まれてからは
子供が絡む辛い出来事の話を見聞きするのは堪えるようになった。
亡き人に想いを向けて、
今私のいる幸せな日常をかみしめる。
夏はそういうことがおおい。